群馬県議会 2019-10-01
令和 元年第3回定例会農林環境常任委員会(農政部関係)-10月01日-01号
一刻も早い取組が求められていることだと思うが、協議の支障となる課題としては何があるのか。
◎富田
畜産課長
最終的には、国が散布を決定することであり、できるだけ早く散布することができるようにしたいと考えている。
◆
橋爪洋介 委員
これまでに
ワクチンベルトで対応した事例もあるので、その際の議論を参考にして、課題に対する答えを出せば、その前例よりも早く散布に漕ぎ着けられるはずである。
養豚農家の皆さんは、「一刻も早く
予防ワクチンを飼養豚に」という思いであるので、もう少し努力してほしい。
資料3には、「
発生農場を中心に3㎞の範囲で
移動制限区域、3~10㎞の範囲で
搬出制限区域を設定」とあるが、同じ藤岡市の農場でも情報が均一化されていないと聞いている。その辺は、改善されているのか。
◎富田
畜産課長
我々がどれだけ情報を発信したとしても、末端の
畜産農家に伝わらなければ意味がないと考えている。現在は、
家畜保健衛生所を通じて情報提供しているが、市町村や
関係団体とも連携しているので、それぞれの団体からも情報提供ができるように進めてまいりたい。
◆
橋爪洋介 委員
様々な組織を通じて、各
養豚農家に均一な情報が行き渡るように徹底してもらいたい。そのことが行政との
信頼関係に繋がると考える。
富山県では、まだ
豚コレラは発生していないが、昨日、
早期出荷のための予算が可決されたと聞いている。金額は1億8,000万円程度とのことだが、これについて、群馬県としてはどのように考えているのか。
◎富田
畜産課長
農場の周囲に陽性の
野生イノシシがはびこっているところでは、飼養豚への感染を防ぐため、一旦、
早期出荷して、
農場自体を整備することにより、
防疫体制をレベルアップすることができるとされている。
現時点では、
養豚農家の皆さんにできる対策を講じていただくことが先決であると考えている。今後、仮に、県内で陽性の
野生イノシシが確認された場合は、
早期出荷についても検討することになると考える。
◆
橋爪洋介 委員
では、
早期出荷については、富山県と同様に、
野生イノシシへの感染が確認された時点で検討に入るということか。
◎富田
畜産課長
早期出荷については、国の要件等もあるため、国と協議をして検討していくことになると考える。
◆
橋爪洋介 委員
ありとあらゆる手段を使って、何とか早く乗り切ってもらいたい。
今回、承第4号で、
野生イノシシの
侵入防止柵の設置や
緊急消毒資材の配付等が予算化されているが、本委員会として、それ以外にも、例えば、
野生イノシシの
捕獲強化等の対策を求めるなどの附帯決議も必要ではないかと考えている。他の委員の意見も参考にさせてもらいたい。
◆岩井均 委員
県内で
豚コレラが発生した場合は、知事を本部長とする
県対策本部を設置するとのことだが、現在、県の
豚コレラ対策の体制はどうなっているのか。
◎富田
畜産課長
県が行う
抗原検査で陽性となった場合は、
県対策本部を設置することとなり、
初動防疫、
防疫計画の決定、
関係部局への
動員要請等を決定することとなる。
その場合、農場内の
防疫作業に従事する人員として680人を確保しており、これとは別に、
現地対策本部等の業務をつかさどる人員として、農政部内で300人を確保している。このほか、飼養豚の規模が3,000頭を超える場合は、自衛隊への協力を要請することができることになっている。
◆岩井均 委員
万が一の時は、全庁を挙げて、かなりの大きな体制で対応するとのことであるが、万全の体制が構築できるよう、今からしっかりと準備しておいてもらいたい。
承第4号に盛り込まれた
野生イノシシ侵入防止柵の設置に係る費用については、国が2分の1を、県4分の1を負担し、残りの4分の1を市町村にお願いしていると聞いているが、県内35市町村の
対応状況はどうなっているのか。
◎富田
畜産課長
現時点で14市町村に対応していただけると聞いている。県内の飼養豚62万9,000頭のうち、この14市町村で、その9割を占めている。
◆岩井均 委員
飼養豚の9割に相当する14市町村が既に4分の1補助を決めているとのことであるが、できる限り全ての農場が同じ支援を受けられるよう、今後も努力してもらいたい。
消毒ポイントの設置について、私も地元の
碓氷バイパスの
実施箇所に行って、直接、話も聞いてきたが、実際には、どの程度の車両に実施されているのか。また、利用率はどの程度となっているのか。
◎富田
畜産課長
消毒ポイントにおける
消毒実績については、9月30日現在、国道17号上
武道路尾島パーキングが167台、国道18
号碓氷バイパス共同休憩所が44台、JAたのふじが39台となっている。
実際に消毒を実施した車両の
実施箇所別の特徴としては、国道17号上
武道路尾島パーキングは
家畜運搬車が多い。これは本庄市や熊谷市にと畜場があるためと思われる。逆に、国道18
号碓氷バイパス共同休憩所は、
家畜運搬車はほとんどなく、
飼料運搬車が大部分を占めている。
利用率については、現在、調査中であり、追って報告させてもらいたい。
◆岩井均 委員
消毒の効果は未知数であるが、実施できる対策は全て実施するとの方針のもと、しっかりと取り組んでもらいたい。
資料3によれば、県内でも、
野生イノシシ捕獲重点エリアを設定する方針となったとのことであり、今後、
目標頭数を設定し、捕獲の強化に取り組むとのことだが、これについて、もう少し具体的に教えてほしい。
◎藤井
技術支援課長
飼養豚や
野生イノシシで
豚コレラが発生した県については、8月に国から
野生イノシシの
捕獲強化についての通知が出され、
捕獲重点エリアを設定している。その後、埼玉県や長野県での発生を受けて、9月20日付けで本県にも通知があり、現在、
捕獲強化に向けて、
農林水産省及び環境省と協議を進めているところである。
なお、
野生イノシシの
有害鳥獣捕獲は、各市町村で行われているため、9月27日付けで
森林環境部長及び
農政部長の連名により、各
市町村長に対して、
有害鳥獣捕獲の強化を文書で依頼したところである。
◎中里見
鳥獣被害対策支援センター所長
県では、今年度、9つの
鳥獣保護区でシカの
捕獲強化に取り組んでいるが、このうち、丸沼、秋畑、妙義地区などでは、
イノシシの存在も確認されていることから、9月26日付けでこの事業に
イノシシの捕獲を追加し、現在、その
捕獲強化に取り組んでいるところである。
◆岩井均 委員
この
捕獲重点エリアを設定する方針は、いつ立てたものか。
◎藤井
技術支援課長
国からの通知は9月20日にあり、県から市町村に対しては9月27日に
捕獲強化を依頼している。
◆岩井均 委員
では、実際に設定する
捕獲重点エリアは、県内のどの地域を考えているのか。
◎藤井
技術支援課長
現在、
農林水産省及び環境省と協議中であるため、申し上げることはできないが、本県の
養豚農場は県内各地域に広く分布しているため、広範囲の設定になると考えている。
◆岩井均 委員
捕獲する
目標頭数は、どれくらいを考えているのか。
◎藤井
技術支援課長
目標頭数についても、現在のところ検討中である。
◆岩井均 委員
栃木県では、承第4号に盛り込まれた
侵入防止柵の設置のほかにも、
野生イノシシの捕獲を強化するため、県が
捕獲おりやわなを購入し、県南西部の市町村に
無償配付すると聞いている。これにより年間の捕獲を1,000頭増やすとのことである。
群馬県でも、自主防衛のためには、同様の対策を取り、年間の
捕獲目標頭数を1,000頭以上に設定する必要があると考えるがどうか。
◎藤井
技術支援課長
そのような考えは、我々も共有している。
目標頭数については、現在、正確な数字は申し上げられないが、上乗せで考えている。
◆岩井均 委員
目標頭数を1,000頭以上増やすことになれば、ある程度の予算も必要になってくるが、予算についてはどのように考えているのか。
私の地元の安中市に聞いてみたところ、
捕獲わなは不足しており、県が購入し、
無償配付してくれればありがたいとのことであった。是非、実施してもらいたいが、どう考えているのか。
◎藤井
技術支援課長
野生イノシシの
捕獲強化については、国の
鳥獣被害防止総合対策交付金を効果的に活用することを第一に考えている。
委員から指摘のあった
捕獲おりやわなの市町村への
無償配付については、市町村によって使用する種類が異なるため、現在、各市町村に
捕獲機材等の導入に係る交付金の
追加要望を調査しているところである。
◆岩井均 委員
是非、早急に対応してもらいたい。この場合、ある程度の予算も必要になってくるため、
橋爪委員の言うように、本委員会として、さらなる
財政的措置を求めることを検討すべきであると考える。
◆星名建市 委員
捕獲おりやわなの市町村への
無償配付については、是非、お願いしたい。
鳥獣被害を管理していくことはなかなか難しいので、このような時にしっかりと抑えておくことが大事であると考える。
資料3によれば、
養豚農家220戸のうち、約10%が
農場周辺に埋却地を確保できていないとのことだが、その分布はどのようになっているのか。
◎富田
畜産課長
各
養豚農家によって、状況は様々となっている。
しかしながら、
家畜伝染病予防法において、飼養者は埋却地を確保することとされているため、これを履行していただく必要があり、まだ土地が確保できていない
養豚農家に対しては、
農業委員会等の協力をいただきながら対応を進めているところである。
◆星名建市 委員
今年2月には、一度、県内で
豚コレラの発生が疑われた事例が発生したと記憶しているが、その際、
県対策本部は設置されたのか。
◎富田
畜産課長
疑義事例が発生した場所がと畜場であったため、初期の
防疫対応を実施するにとどめ、
県対策本部は設置していない。
◆星名建市 委員
なぜ、そんな質問をしたかというと、2月に一度、
疑義事例が発生したのであるから、埋却地の確保についても、それ以後に対応を始めておく必要があったのではないかと思ったためである。それから半年以上が経過しているが、現時点でまだ10%の農家が埋却地を確保できていないとのことなので、さらに県からも指導してもらう必要があると考えるがどうか。
◎富田
畜産課長
委員の指摘のとおりであると考える。全ての
養豚農家が埋却地を確保できるよう、迅速に対応してまいりたい。
◆星名建市 委員
豚コレラの発生を食い止めるため、連日、一生懸命に取り組まれていることは承知している。飼養豚への
ワクチン接種も、何とか打てる方向性となってきたが、実際に実施できるようになるまでにはまだ時間もかかる。したがって、できることは一つでも早く対応していくことが大事であると考える。大変なご苦労があると思うが、頑張ってもらいたい。
◆
伊藤祐司 委員
県の連日の奮闘には頭が下がる。資料3に「9月13日に埼玉県で、9月14日には長野県で発生が確認され、
豚コレラウィルスの本県への
侵入リスクが危機的に高まった」との記載があるが、私も同感である。
何人かの
養豚関係者に話を聞いたところ、「もう
ワクチンを打つしかない」とのことだった。先ほどの説明によれば、
ワクチンの接種は「
流通対策等を講じた上で」、「全国一律の」という条件がついていたが、これは必要なのか。この二つの条件にこだわらずに、一刻も早い
ワクチン接種を国に要請すべきと考えるがどうか。
◎富田
畜産課長
仮に、群馬県の豚が
ワクチンを接種した場合、他の産地の豚に比べて価格が下落し、卸売業者も購入を控える自体になる可能性もある。したがって、
橋爪委員の指摘するように、
関東地方の各県が連携して
ワクチンを接種することも検討しなければならないと考えるが、
ワクチンの接種と同時に、群馬県産の豚の
流通対策や
価格対策にも目を配ることが県の務めだと考えており、これらについては、しっかりと国に責任を持って対応してもらうよう進めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
では、群馬県は、先日、
ワクチン接種の希望に手を上げたが、
流通対策や
価格対策が講じられない段階では
ワクチンの接種は行わないということか。
◎富田
畜産課長
我々とすれば、
養豚農家を守るため、あらゆることを想定した上で、国に
働きかけをしてまいりたいと考えている。もちろん、
ワクチンを接種できれば一番良いが、同時に、県産の豚の肉がこれまでと同様に流通し、
養豚農家が経営的に問題がないように、国と連携を取って進めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
働きかけはどんどんやるべきだと思うが、現段階でまず第一に考えなければならないのは、とにかく一刻も早く飼養豚に
ワクチンを接種させることではないか。
流通対策としては、具体的にはどのようなことが考えられるのか。
◎富田
畜産課長
まさにそれを今、国に検討していただいているところである。
流通対策は、県だけではとてもできないため、国に対して、強く
働きかけをしてまいりたい。
県内の
養豚農家の
ワクチン接種の要望が強いことは承知しており、我々も同じ思いであるので、迅速に対応を進めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
私も、
橋爪委員が指摘するように、
関東地方の各県が連携して、一斉に
ワクチンを接種する形にできれば一番良いとは思うが、現在、危機的な状況にあるのであるから、一刻も早く
ワクチンを接種することができるように、努力してもらいたい。
先ほど、
橋爪委員が指摘したように、
養豚農家ごと、
養豚農場ごとの受止めに温度差があることは、私も感じたところである。
侵入防止柵の設置や消石灰の散布等の対策がきちんとできているかどうか、県の確認が必要だと考えるが、現在、その確認はどのように行われているのか。
◎富田
畜産課長
各
養豚農家に対しては、
飼養衛生管理基準に基づいた
チェックシートを配付しており、各農家の
取組状況を記入の上、毎年、
家畜保健衛生所に提出していただいている。その後、
家畜保健衛生所の職員が提出された
チェックシートを持って各農家に確認に出向き、相互に意見を交わしながら
個別指導を行っている。
◆
伊藤祐司 委員
よろしくお願いする。
今後、
野生イノシシの捕獲を強化する必要があるとの意見が出ているが、捕獲された
イノシシの抗体を検査し、陰性か陽性かを判定するまでには一定の時間を要するものであり、その間に
イノシシを運んできた猟友会の方が
ウィルスを運ぶキャリアになってしまう場合もあると考える。そのような
注意喚起等の指導は検討されているのか。
◎富田
畜産課長
その点は、猟友会にも危険性を認識していただいており、防疫服を着た採材や、採材後の
消毒方法等、しっかりと二次
感染防止のための対策を徹底していただいている。今後も、猟友会との連携のもとで進めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
よろしくお願いする。以上で質問を終わる。
◆
本郷高明 委員
先ほど、
ワクチンを接種した豚の肉は、消費者が倦厭し、価格が下落して流通が難しくなる可能性もあるとの答弁があったが、
ワクチンを接種した豚の肉かどうかは、消費者に提示するものなのか。
◎富田
畜産課長
ワクチン接種後の肉の流通方法については、現在、国から何も話がないため、何とも申し上げられない。
ワクチンを接種した豚の肉であっても、人が食べても何の問題もないが、いわれのない風評が発生するおそれもある。県としては、その辺の安全性を周知広報してまいりたい。
◆
本郷高明 委員
承第4号では、捕獲した
野生イノシシの
豚コレラ感染状況の確認を強化するとして予算がついているが、今後は、捕獲した
野生イノシシを全頭検査することになるか。
◎富田
畜産課長
捕獲した場所によって検査が難しい個体もあるが、できるだけ検査したいと考えている。
◆
本郷高明 委員
承知した。以上で質問を終わる。
○
穂積昌信 委員長
他に
豚コレラ関係の質疑はありませんか。
(「なし」の声あり。)
△休憩
○
穂積昌信 委員長
暫時休憩いたします。
午後1時から再開いたします。
(午後0時休憩)
(午後1時再開)
△再開
○
穂積昌信 委員長
休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。
まず、執行部から、追加説明がありますので、お願いします。
◎吉野
農政部長
午前中、
豚コレラの関係で集中的に審議をいただいたところであるが、
野生イノシシに対する経口
ワクチンについて、9月26日から国と協議をしてきたところ、本日、群馬県に融通してくれるとの連絡があったので報告する。詳細については、まだ確認中であるが、本日、夕方、知事が記者会見をする予定である。
○
穂積昌信 委員長
それでは、質疑を続行いたします。
所管事項の質疑に関して、
豚コレラ以外のものについて質疑を行います。
◆
橋爪洋介 委員
カワウのシャープシューティングについて質問する。昨年度まで、実証事業としてシャープシューティングを実施してきたと思うが、その成果はどうなっているのか。如実に表れているのか。
◎中里見
鳥獣被害対策支援センター所長
平成28年度から平成30年度までにかけて、3年間の実証事業であるカワウのシャープシューティングを実施したところである。このうち、みどり市の高津戸ダムでは、昨年度、約200羽のカワウを捕獲した。また、渋川市の真壁調整池では、銃が使えない状況であるため、ドライアイスを巣に投入して128個の巣において436個の卵を処理した。その結果、今年7月のねぐら・コロニーにおける生息状況調査では、前年に比べて個体数の減少を確認している。
また、高崎市の南陽台では、平成28年度及び平成29年度の2年間のシャープシューティングの結果、コロニーは解消され、ねぐらの状態となっている。
◆
橋爪洋介 委員
シャープシューティングの結果、漁業被害の状況はかなり減少していると認識してよいか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
毎年7月、9月、12月の年3回、カワウの飛来数を調査し、その飛来数から被害額を推定しているが、平成30年度の被害額は1億1,701万4千円となり、魚の被害量は12万3,116㎏となった。
各漁協においても、独自の対策のほか、国や県の委託事業を利用した対策を実施している。
◆
橋爪洋介 委員
渋川市の真壁調整池については、銃は使えない状況とのことだが、なぜか。
◎中里見
鳥獣被害対策支援センター所長
調整池のすぐ脇に住宅があることに加え、射撃時に十分なバックヤードが取れないことから、銃の使用は困難となっている。
◆
橋爪洋介 委員
承知した。
◆
神田和生 委員
農業用の廃資材の処理について質問する。数日前、認定農業者の方と懇談会をさせてもらう機会があったが、「農業用の廃資材の処理費用が高い」との声が多数、寄せられた。
現在、県としては、この問題をどのようにとらえているのか。
◎平井 技術支援課
生産環境室長
廃プラスチックについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定に基づき、排出事業者の責任において処理されるものと認識している。しかしながら、農業においては、排出事業者である農家の規模が小さく、個々の処理が難しいことから、本県においては、各地域単位で農業用廃資材等適正処理推進協議会を構成し、この協議会がそれぞれ廃棄物処理業者と契約を行い、農業者はその協議会を通じて排出の処理を行っている現状である。
◆
神田和生 委員
農業用廃資材の処理費用の高騰が農家の方の負担となっているが、県として、この処理費用を補助するなどの考えはあるのか。
◎平井 技術支援課
生産環境室長
廃プラスチックの処理費用の高騰については、平成28年度、平成30年度及び今年度に調査を実施しており、じわりと上昇していることは県としても認識している。
現在、その処理費用については、各地域協議会の単位ごとに、市町村やJAが補助を実施しているところが多く、22の各協議会ごとに金額的にも上下があるため、県が補助する段階ではないと考えている。
県としては、廃プラスチックについても、一般廃棄物と同様に処理できるよう、各市町村あて要請しているところであり、また、長期耐久性シートの利用や排出段階での泥落としによる処理費の削減等の優良事例を周知するなど、処理費用の軽減のための各農家の取組を啓発してまいりたい。
◆
神田和生 委員
各農家の皆さんに対する様々な優良事例の周知をよろしくお願いする。
◆
伊藤祐司 委員
日米貿易協定について質問する。今回の協定により、わが国の食料自給率はさらに低下してしまうのではないかと懸念している。家族農業への影響も非常に大きい。上毛新聞には、「本県の畜産をはじめとする農業への影響は計り知れない。最終合意に至るまで情報開示がされないまま交渉が推移し、農業者はこれまで以上に将来に不安を抱いている」とのJA全農ぐんまの大澤会長の発言が掲載されていたが、県としては、この日米貿易協定をどのようにとらえて、どのような影響があると考えているのか。
◎倉澤
農政課長
本協定の発効後は、米国産の牛肉に係る関税が段階的に削減され、TPP11加盟国と同水準まで引き下げられる見通しとなっている。豚肉についても、高価格帯に係る関税が最終的に撤廃される見通しである。一方、輸出面では、本県の主力品目である牛肉の低関税枠が拡大することから、対米輸出拡大に向けた環境が整う見通しともなっている。
これらを総合的に考えると、本県農業の基幹産業である畜産業を中心に、農畜産物への影響が懸念されると考えている。
◆
伊藤祐司 委員
どの程度の影響があるのか、県で試算するべきだと考えるがどうか。
◎倉澤
農政課長
日米貿易協定による影響額については、TPP11や日EUのEPAの際もそうであったように、国と同様の試算方法で試算したいと考えており、国の試算方法が示された段階で検討してまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
先日、本会議での一般質問の際、知事とも議論したが、地方自治なのであるから、自分たちで方法を考えて試算すればよいのではないか。国から方法が示されなければ計算できないというのは違うと考える。地方政府として、県の視点できちんと試算することが大切であると思うが、部長の意見はどうか。
◎吉野
農政部長
影響額の試算については、様々な要因を考慮しなければならず、県だけでその要因を全て把握して計算するのはなかなか難しいと考えている。やはり、国の示した統一的な方法に基づいて試算せざるを得ないと考える。
◆
伊藤祐司 委員
正確に影響額を当てるものでなく、腰だめであっても、やはり、地方政府として影響額を試算するべきだと私は思う。
次に、種子条例について質問する。種子法が廃止されて1年半が経過するが、その影響について、県民からどのような声が寄せられているか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
県では、種子法の廃止後、新たな要領・要綱を策定し、従来どおりの優良種子の生産と安定供給に取り組んでおり、現在まで、種子生産の現場においては影響はないと考えている。
しかしながら、一方で、一部の農家から、将来的な種子価格の高騰などを懸念する声や、県民からも外資系企業の参入による種子の独占などに対する不安の声も寄せられている。
◆
伊藤祐司 委員
群馬県にも、県が独自に開発してきた守るべき種子があると思うがどうか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
確かに、本県にも「さとのそら」をはじめ、優良な品種がある。
◆
伊藤祐司 委員
そういう優良な品種が多い道県は、独自に種子条例を制定しており、既に10県程度になっていると認識しているが、群馬県においても、農家や県民の声を受け止めて、条例の制定を検討する必要があると考えるがどうか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
先ほど申し上げたとおり、本県の現状では、新たな要領・要綱に基づく取組により、種子の安定的な生産と供給は機能していると考えているが、一方で、一部の農家や県民からは不安の声も寄せられている現状であるので、長期的な視点から、改めて、
関係団体や農家等から意見を聞くなどして、条例制定を含め、より安定的な制度について検討してまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
よろしくお願いする。
最後に、次期群馬県農業農村振興計画について質問する。国連の「家族農業の10年」への対応としては、具体的にどのようなものを考えているのか。
◎倉澤
農政課長
2015年農林業センサスの結果によれば、農産物の販売額が2,000万円以下の経営体が9割以上を占めており、集落機能、農村機能の維持のためには、家族経営農家の役割が非常に重要であると考えている。
県としては、現行の農業農村振興計画においても、家族経営農家を含む多様な担い手にスポットを当てて支援をしてきたところであるが、次期計画においても、国連決議等も踏まえ、地域農業を支える重要な担い手であり、また、農村の資源や技術を引き継ぐ上で重要な役割を果たす家族経営農家を含む多様な担い手が夢や希望を持って農業に取り組むことができるよう、総合的な施策を検討してまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
農政部が家族農業の支援に一生懸命に取り組んでくれていることは承知している。10数年前、国が品目横断的経営安定化対策を打ち出し、小規模農家が本当に危機に陥りそうになった際、農政部は懸命に集落営農組織づくりに奔走してくれた。それが、現在の二毛作を支える存在になっている。
次期農業農村振興計画では、是非、集落営農組織を応援するなどの施策を盛り込み、家族農業を続けていけるような計画としてもらいたい。よろしくお願いする。
家族農業や集落営農を発展させるためには、女性の参加が非常に重要であると思うが、配付された普及現地情報(
令和元年7月版)によれば、家族経営協定をテーマの1つとして、女性農業リーダー研修会を開催したとのことだが、その概要について教えてほしい。
◎吉岡 技術支援課
普及指導室長
県では、農業・農村における男女共同参画を推進するため、女性農業者が主体的に農業経営に参画することや地域社会で活躍しやすい環境づくりに重点的に取り組んでいる。そのため、関係機関と連携し、JA女性部、女性農業委員等で構成される「ぐんま農村女性会議」を核として、女性リーダーの活躍事例や家族経営協定等に関する研修会・交流会を開催しており、昨年度は計77回、延べ1,400人以上の参加をいただいている。
◆
伊藤祐司 委員
家族経営協定とは、どのようなものか教えてほしい。
◎大朏 農業構造政策課
担い手対策主監
家族経営協定は、家族の各世帯員が意欲とやりがいを持って経営に参画することができるような魅力的な農業経営をすることを目的として、経営方針、役割分担、働きやすい就業環境等について、予め家族間で話し合った上で、契約書として取り交わす協定である。
家族だからこそ、大切な約束事を文書で明確にすることで、家族全員が主体的に経営に参画し、意欲と能力を存分に発揮できる環境が整備されることになり、家族の間の風通しが良くなり、お互いの誤解をなくすことができると考えている。
◆
伊藤祐司 委員
これからの農業は、家族農業であっても、経営の観点が必要だと考えている。この家族経営協定は、自分の家の農業経営に関わる意識が再認識されるという点で有効な手段であると思うので、是非、普及させてもらいたい。以上で質問を終わる。
◆
本郷高明 委員
種子条例について質問する。先ほど、伊藤(祐)委員からも質問があったが、種子法が廃止されて1年半が経過するが、民間事業者の参入による種子の安定供給への影響はあるのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
種子法廃止後、民間事業者からの新たな参入希望等はない状況である。
県としては、仮に、民間事業者が開発した品種であっても、県内に普及すべき優良品種かどうか、しっかりと調査を実施し、その結果、奨励品種に決定された場合は、県が責任を持って原種の生産や種子検査などを行うことから、民間事業者の参入による農家や県民への影響はないと考えている。
◆
本郷高明 委員
種子法は、昭和61年の改正により民間事業者の参入ができるようになったと承知している。群馬県には民間開発の奨励品種はないと聞いているが、全国的には民間開発の品種が奨励品種となっているケースはあるのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
一時期、民間開発品種の作付実績はあったが、価格等の問題により普及しなかったと認識している。
◆
本郷高明 委員
奨励品種の開発者が民間事業者の場合、価格状況等により種子の安定供給に支障が出る場合がある。農家や県民も不安に感じていると思うので、私も、種子条例制定に向けた取組を要望する。
次に、花き振興について質問する。東アジアへの花き輸出を事業として展開していると思うが、現状の取組を教えてほしい。
◎土屋
蚕糸園芸課長
昨年度、台湾の台中フローラ世界博覧会のコンテストにおいて、切り花部門で銀賞を受賞し、県産花きの品質の高さをアピールすることができたと考えている。
その際の成果として、フラワーデザイナーの集団である台湾花芸家協会ともつながりができ、そのネットワークを活用して、今年度は9月に片品村のアジサイ産地にバイヤーを招聘し、「販路拡大に協力したい」とのお話をいただいており、生産者の意気も上がっている。
また、今月には、台北のホテルでプロのフラワーデザイナーの方を対象としたプロモーションを実施する計画となっている。
◆
本郷高明 委員
韓国への輸出も考えているようだが、現在、日韓関係は微妙な情勢となっているが、影響はないのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
新聞報道によれば、日韓関係の情勢は不安定とされているが、花き輸出協議会等を通じて状況を確認したところ、花きについては、通常どおり取引が行われているとのことである。
しかしながら、微妙な情勢に変わりはないので、今年度、計画しているプロモーションについては、効果が挙がる状況であると判断することができれば実施したいと考えている。また、実施方法等についても、状況に応じて工夫したいと考えている。
韓国は日本のバラの人気が高く、県内の生産者の期待も大きいことから、市場関係者と連携を取りながら、中長期的な視点で進めて参りたいと考えている。
◆
本郷高明 委員
国同士の問題による不買運動等で生産者に影響があってはいけないと考える。韓国の情勢には注視しながら取り組んでもらいたい。
最後に、畜産クラスター事業について質問する。現在の本県の状況はどうなっているのか。
◎富田
畜産課長
畜産クラスター事業は、平成27年度から実施されている国の事業である。本県では、これまでに事業母体となる畜産クラスター協議会が33協議会設立されており、現時点で施設整備事業が11件、機械導入事業が142件採択されている。補助金額の合計は、約14億8,690万円となっている。
施設整備事業11件のうち、採卵鶏が2件で1億7,500万円、養豚が4件で8億6,200万円、酪農が4件で6,100万円、肉用牛が1件で2,900万円となっていている。また、機械導入事業142件のうち、酪農が84件と大部分を占めており、補助金額は2億3,280万円となっている。
◆
本郷高明 委員
本県は、栃木県や茨城県と比べて実施事業数が少ないと聞いているが、実態はどうか。
◎富田
畜産課長
平成27年度から平成30年度までの4年間の施設整備事業数は、栃木県が20件、茨城県が17件、本県が11件となっている。
事業開始から4年が経過し、この事業に対する
畜産農家の認知度は高いと考えているが、
畜産農家に対して実施したアンケート結果によれば、「事業内容が難しい」、「書類作成に時間が必要」との回答が過半数となっており、そのほか、多額の投資の問題や後継者不足の問題もあり、なかなか実施に踏み切れないとの話も聞いている。
そのため、県としては、国の要望調査に先行して、事前に要望調査を実施し、計画書作りの支援や対象者別の研修会を開催するなど、事業推進に取り組んできた結果、徐々に実施件数が増加してきているところである。
また、平成30年度補正予算では、新たに「環境優先枠」が設けられたところであるが、いち早く
畜産農家に情報を提供した結果、2件が採択になっており、今年度についても4件が採択になったところである。引き続き、来年度に向けて、しっかりと対応してまいりたい。
◆
本郷高明 委員
畜産業は、新規参入が難しい産業である。だからこそ、県の陣頭指揮のもと、生産者、市町村、JA等と連携を取って、取り組んでもらいたい。よろしくお願いする。
◆岩井均 委員
指定管理者による公の施設の
管理運営状況について質問する。先ほど、農政部が所管する3つの県有施設についての説明があったが、このうち、蚕糸園芸課が所管する
ぐんまフラワーパークと日本絹の里については指定管理期間が5年間とされているが、どのように決定しているのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
それぞれ総務部を含めて検討し、協議した上で決定している。
◆岩井均 委員
畜産課の所管する群馬県
馬事公苑については、指定管理期間が3年間とされているが、適切だと考えているのか。
◎富田
畜産課長
現在のところ3年間としているが、総務部総務課から「指定管理期間は原則5年間とする」との通知があったことから、次回からは5年間とする方向である。
◆岩井均 委員
全体的に見ても、指定管理期間は3年間の施設と5年間の施設があるが、やはり5年間の方が継続的な取組がしやすいと考える。
馬事公苑についても、令和3年度からは5年間になるとのことなので、様々な事業が推進できるようになり、好ましいことであると考える。
次に、農振除外手続の迅速化の状況について質問する。平成26年第3回前期定例会において、農振除外手続の受付件数と面積の推移を質問したところ、「平成23年度が772件で73ha、平成24年度が845件で106ha、平成25年度が1,115件で111haとなっており、件数、面積ともに増加傾向にある」との回答だったが、近年の受付件数と面積はどのように推移しているのか。
◎相澤
農業構造政策課長
平成28年度が1,386件で127ha、平成29年度が1,440件で110ha、平成30年度が1,596件で172haとなっている。受付件数は増加し続けており、面積も一旦減少したものの、再び増加している状況である。
◆岩井均 委員
当時、この農振除外手続は、申請してから完了となるまでに平均して約300日かかっていた。また、最も長い市町村で490日、最も短い市町村で170日を要したとのことであり、市町村ごとにかなりの差があった。そこで、県が市町村と協力し、市町村ごとに事務処理の目標期間を設定したり、処理可能な案件を優先させる助言をしたり、担当者を対象とする研修会を実施したりするなど、積極的に取り組んでもらったと記憶している。
その結果、この手続に要する時間は、大分、短縮されてきていると思うが、現在、どのような状況となっているのか。
◎相澤
農業構造政策課長
農振除外手続の事務処理に時間を要するようになった背景には、平成21年の農地法の改正によって除外をするための要件に、①「担い手の農地の集積に支障がないものである」との条件が加わったこと、②第一種農地の定義が20haから10haに規模が縮小されたことが挙げられる。いずれも評価が難しい要件であり、市町村担当者の皆さんのご苦労もあることと考えている。
そのような中で、県としては、各市町村と一緒になって、除外手続を進める上でのチェックリストやフロー図を作成したり、事務が捗らない市町村には「何をいつまでに」と事務の段取りを約束してもらったり、毎年、初任者の方に対する研修会を開催したり、処理可能な案件を優先して処理する助言をしたりするなどしてきたところである。
その結果、平成29年度上期には8箇月以内に事務処理が終了したのは20市町村中3市町村だったが、同年度下期には22市町村中12市町村となった。また、平成30年度上期には22市町村中15市町村に増加し、平均処理日数も234日に短縮された。さらに、平成30年度下期には22市町村中16市町村に増加する見込みとなっている。いずれも、各市町村の担当者の皆さんに住民福祉の向上を目指して取り組んでいただいた結果であり、今後もこの流れを途切らせることのないよう、引き続き事務の迅速化に取り組んでまいりたい。
◆岩井均 委員
県の指導・助言等の積極的な取組や市町村との連携の結果、かなり事務処理に要する日数が減ってきたことは、本当に良いことであると思う。今後も、市町村と協力しながら進めてもらうよう、よろしくお願いする。
当時、事務処理の迅速化のために市町村担当者向けのチェックリストを作成すると聞いていたが、既に実施しているのか。
◎相澤
農業構造政策課長
既に作成し、使用している。
◆岩井均 委員
承知した。
当時、公告・縦覧手続に入る前に、申出者に対して中間通知を発送する鳥取市の取組を提案したと記憶している。申出者にとって、およその手続終了の目安を知ることができるので良い制度であると思うが、現在、どのようになっているのか。
◎相澤
農業構造政策課長
平成26年第3回前期定例会において、鳥取市の例をもとに、中間通知制度の提案をいただいている。
現在、各市町村に対しては、県から中間通知制度を取り入れるようにとの統一した指導はしていないが、各市町村では、農振除外手続を円滑に進めるため、各申出者と連絡を必要に応じて取り合いながら事務を進めていることから、各申出者が除外手続の終了時期の目安を知るなどの意思疎通は図れていると考えている。
◆岩井均 委員
行政サービスの向上のためにも、是非、中間通知制度導入の統一的な指導に取り組んでもらいたい。以上で質問を終わる。
◆
多田善洋 副委員長
県の花き振興の取組について質問する。まず、県内の花き振興の現状を教えてほしい。
◎土屋
蚕糸園芸課長
スプレーギク、コギク、バラ、カーネーション、アジサイ等の9品目を主要品目と定めた振興計画を策定し、担い手対策、生産対策、流通・販売対策に取り組んでいる。
担い手対策では、後継者の就農に加え、定年帰農者などの多様な担い手の確保と定着支援を行っている。
生産対策では、低労力化・省力化技術や環境制御技術の導入に加え、県オリジナル品種の育成などを行っている。
流通・販売対策では、品評会や展示会等を開催し、県産花きのPRを強化する取組を行っている。
このような取組の結果、平成29年度の作付面積は322ha、産出額は56億円となっている。産出額は、ここ数年、横ばいで推移している状況である。
◆
多田善洋 副委員長
邑楽館林地域は、シクラメンやカーネーション等の鉢物類の産地となっているが、邑楽館林地域の花き振興の状況はどうか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
委員の指摘のとおり、邑楽館林地域は、鉢物のシクラメンとカーネーションが県内一の産地となっている。
鉢物シクラメンは、贈答需用を狙った高品質な大鉢が生産されており、高温下にあっても、しっかりと安定した商品づくりが行われ、品評会等において、多くの生産者が上位入賞を果たしている。
鉢物カーネーションは、日本一の産地となっている。JAの共同販売体制が組織化されており、市場から信頼される産地となっている。
このほか、鉢物のエラチオールベゴニアや切り花のトルコギキョウについても、有名生産者が多数、活躍されており、邑楽館林地域は、県内の花き生産を牽引する重要な地域と考えている。
◆
多田善洋 副委員長
県内の花き生産については、邑楽館林地域のシクラメンやカーネーションのほか、前橋のバラなど、それぞれの地域や標高ごとに特色もあると考えるが、県としての今後の花き振興の取組についてはどのように考えているのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
全国的には花きの需要は減少しており、花の単価が低下していることから、生産者の経営は全体として厳しい状況にあると考えている。
県では、これまで第6次花き振興計画に基づき花き振興に取り組んできたが、本年度はその最終年に当たることから、現在、次期計画となる第7次計画の策定を検討しているところである。
次期第7次計画においては、主要9品目を中心として、環境制御技術の普及拡大、多様な需要に対応できる商品づくり、相対取引の増加による価格安定対策、輸出促進等に取り組むことで、多面的に時代の変化に対応した花き振興を図ってまいりたいと考えている。
◆
多田善洋 副委員長
全国的には、花きの需要が減少し、単価も低下しているとのことであり、競争の激化が懸念される。今後とも指導をよろしくお願いする。
次に、鳥による葉物野菜の食害への対策について質問する。先日、認定農業者の方から、「平坦地においては、白菜、キャベツ、ブロッコリーなどの葉物野菜の鳥による食害の被害が深刻である」との話を聞いた。かなりの被害が発生しているとのことだが、その対策はどうか。
◎藤井
技術支援課長
野生鳥獣による農作物
被害状況調査では、平坦地での葉物野菜の鳥による被害として、ムクドリやヒヨドリによる白菜、ホウレンソウの食害が報告されている。
その被害対策として、昨年12月、太田市において、県と関係機関の連携による防鳥ネットの現地研修会を開催したところである。
県では、
鳥獣被害対策を推進するために、国の交付金や県単事業を活用した地域の主体的な取組を支援しているところであるが、この防鳥ネットの設置については、耐用年数などの事業要件から国の
鳥獣被害防止総合対策交付金の活用は難しい状況となっている。
しかしながら、被害低減の大きな効果が期待できることから、今後、この技術の普及を図ってまいりたいと考えている。
◆
多田善洋 副委員長
平坦地での葉物野菜の生産は、契約栽培が多いため、少しの食害でも大きく商品価値が損なわれてしまう。平坦地でも
鳥獣被害があることを認識し、被害対策の補助を含めた様々な支援をよろしくお願いする。
次に、種子条例について質問する。今日、他の委員からも質問があったが、実際に農家の方の話を聞くと、種子の安定供給に不安を感じている現状がある。個人的にも、この条例の制定は必要と考えているが、
農政部長の考えはどうか。
◎吉野 部長
先日の本会議においても、「条例制定を含めて検討していく」との答弁させていただいたところである。
県では、種子法が廃止される際に、新たな要綱・要領で対応していくこととし、現在、私自身はそれで十分機能していると考えているが、農家や県民の方から不安の声があるのであれば、長期的な視点で安定した制度にすることは必要であると考えている。
今後、農業者や農業団体、県民の方から幅広く意見を聞いた中で、長期的に群馬県農業の振興に繋げられるよう、条例の制定も含めて検討してまいりたい。
◆
多田善洋 副委員長
安定的な制度とするためには、やはり条例の制定が必要であると考える。速やかに検討の上、種子条例を制定してもらうよう要望する。
○
穂積昌信 委員長
以上で、質疑を終結いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
穂積昌信 委員長
これより、
付託議案の採決を行います。
議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」との声あり。)
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、
農政部関係の議案について、採決いたします。
○
穂積昌信 委員長
はじめに、第93号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、第93号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、承第4号について、これを原案のとおり承認することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、承第4号は、原案のとおり承認することに決定いたしました。
○
穂積昌信 委員長
ここで承第4号に対する附帯決議について、多田副委員長から発言を求められておりますので、よろしくお願いします。
◆
多田善洋 副委員長
附帯決議について、提案させていただきます。
案文の配付をお願いします。
(事務局から附帯決議(案)を配付)
◆
多田善洋 副委員長
お手元に配付した「
専決処分の承認について」に係る附帯決議(案)を朗読し、説明とさせていただく。
「
専決処分の承認について」(
豚コレラ対策)に関して、下記のとおり実施するよう強く要望する。
豚コレラ対策については、
侵入防止柵の設置や
緊急消毒資材の配布等にとどまらず、
野生イノシシの
捕獲強化の予算を講ずること。
また、
野生イノシシ感染が確認された段階で、
早期出荷のための予算を検討すること。
以上決議する。
令和元年10月 日 群馬県
農林環境常任委員会
よろしくご審議願いたい。
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
ただいまの附帯決議(案)について、何かご意見はありますか。
◆
伊藤祐司 委員
「予算を講ずること」ではなく、「予算措置を講ずること」という表現にした方が良いと考えるがどうか。
◆
橋爪洋介 委員
文言整理の問題であり、意味としては同じなので、内容について問題がなければ、表現については正副委員長に一任してよいと考えるがどうか。
◆
伊藤祐司 委員
承知した。内容については異論はない。
○
穂積昌信 委員長
それでは、承第4号「
専決処分の承認について」に係る附帯決議について、本案のとおり委員会として決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、本附帯決議は、案文のとおり
農林環境常任委員会として決定することといたします。
△請願の審査
○
穂積昌信 委員長
次に、請願の審査を行います。
本委員会に付託された請願のうち、
農政部関係の請願は、新規4件であります。
それでは、第1号について、執行部から説明願います。
◎土屋
蚕糸園芸課長
(第1号「(国)指定野菜価格安定対策事業に係る交付予約数量引き上げについての請願」について説明した。)
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
第1号の取扱いについて、いかがいたしますか。
(「趣旨採択」の声あり。)
それでは、挙手により賛否を問います。
趣旨採択に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって趣旨採択と決定いたします。
次に、第2号について、執行部から説明願います。
◎相澤
農業構造政策課長
(第2号「利根沼田地域の総合開発についての請願」について説明した。)
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
第2号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(1項1号のうち「補助率を拡充すること」及び「中山間地域に対応した新たな事業を創設すること」の部分について「一部趣旨採択」の声あり。)
それでは、挙手により賛否を問います。
一部趣旨採択に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって一部趣旨採択と決定いたします。
次に、第3号について、執行部から説明願います。
◎倉澤
農政課長
(第3号「日米貿易交渉の大枠合意の撤回等を求める請願」について説明した。)
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
第3号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」及び「採択」の声あり。)
それでは、挙手により賛否を問います。
継続に賛成の委員は挙手願います。
(挙手多数)
挙手多数であります。
よって継続と決定いたします。
次に、第4号について、執行部から説明願います。
◎土屋
蚕糸園芸課長
(第4号「群馬県主要農作物種子条例の早期制定等を求める請願」について説明した。)
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
第4号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」及び「趣旨採択」の声あり。)
それでは、挙手により賛否を問います。
継続に賛成の委員は挙手願います。
(挙手多数)
挙手多数であります。
よって継続と決定いたします。
以上で、請願の審査は終了いたしました。
△意見書発議の協議
○
穂積昌信 委員長
それでは、ここで、意見書の発議について、ご協議願います。
多田副委員長から発言を求められておりますので、お願いします。
◆
多田善洋 副委員長
意見書の発議について、提案させていただきます。
案文の配付をお願いします。
(事務局から意見書(案)を配付)
◆
多田善洋 副委員長
お手元に配付した
豚コレラ対策の強化を求める意見書(案)を朗読し、説明とさせていただく。
昨年9月9日に岐阜県の養豚場において、国内で26年ぶりとなる
豚コレラが発生して以来、1年が経過している。9月13日には埼玉県、9月14日には長野県において
豚コレラの患畜が確認され、感染が拡大している状況にある。
こうした中、国においては、「
豚コレラに関する特定家畜伝染病
防疫指針」の一部見直しを行うなど、事態の収束に向け様々な対策を講じているところであるが、日々感染リスクが高まる状況において、
養豚農家や
関係団体からは、不安の声が高まっている。
よって、本議会は、国において、下記の事項について措置を講ずるよう強く求める。
1
豚コレラワクチンを接種する推奨地域については、飼育豚や
野生イノシシでの感染が確認され ている県に限定せず、接種を希望する県も対象とすること。
2
野生イノシシの捕獲による感染拡大防止対策を含め、県及び市町村が実施する
豚コレラ対策に 要する経費への支援の拡充を図ること。
3 アフリカ
豚コレラをはじめ、近隣国で発生している家畜伝染病の侵入防止のため、検疫体制の 強化を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年10月 日 群馬県議会議長 狩野浩志
よろしくご審議願いたい。
○
穂積昌信 委員長
説明は終わりました。
本意見書(案)について、ご協議願います。
◆
伊藤祐司 委員
賛成する。
○
穂積昌信 委員長
それでは、お諮りいたします。
「
豚コレラの対策の強化を求める意見書」について、本案のとおり委員会から発議することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって本意見書は案文のとおり、本委員会から発議することに決定いたしました。
△基本計画議決条例の適用に係る調査
○
穂積昌信 委員長
次に、「群馬県行政に係る基本計画の議決等に関する条例」の適用について、ご協議願います。
はじめに、各計画の概要について、執行部から説明願います。
◎倉澤
農政課長
(「ぐんま農業・農村男女共同参画行動計画」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
◎藤井
技術支援課長
(「群馬県有機農業推進計画」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
◎土屋
蚕糸園芸課長
(「「野菜王国・ぐんま」推進計画」、「第7次群馬県花き振興計画」、「群馬県蚕糸振興計画(仮称)」及び「群馬県内水面漁業振興計画(仮称)」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
◎砂盃
ぐんまブランド推進課長
(「群馬県農畜産物ブランド化推進方針」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
◎女屋
農村整備課長
(「群馬県農業農村整備計画」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
◎中里見
鳥獣被害対策支援センター所長
(「群馬県ニホンジカ適正管理計画」及び「群馬県
イノシシ適正管理計画」について、資料2「計画等の概要書」により説明した。)
○
穂積昌信 委員長
以上で説明は終わりました。
それでは、説明のあった計画のうち、「群馬県
イノシシ適正管理計画」を除く9つの計画について、一括してお諮りしたいと思います。取扱いはいかがいたしますか。
(「いずれも条例不適用」との声あり。)
それでは、本計画の取扱いにつきましては、条例の不適用ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
さよう決定いたします。
次に、「群馬県
イノシシ適正管理計画」について、取扱いはいかがいたしますか。
(「条例適用」の声あり。)
◆
伊藤祐司 委員
通常、この種の計画は不適用の場合が多いが、条例適用とする根拠は何か。
◆
多田善洋 副委員長
鳥獣被害のほか、
豚コレラの問題も発生していることから、
イノシシの管理計画については、特に重要と認識しているためである。
◆
伊藤祐司 委員
承知した。
○
穂積昌信 委員長
それでは、本計画の取扱いにつきましては、条例の適用ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
さよう決定いたします。
△散会
○
穂積昌信 委員長
以上で、
農政部関係の審査を終了いたします。
次の委員会は、明日、2日(水)、午前10時から再開し、森林環境部関係の審査を行います。
本日はこれにて散会いたします。
(午後2時50分散会)
委員会記録署名委員
農林環境常任委員会
委員長 穂積 昌信...